デジタル・ゴールドラッシュ – 18~19世紀を繰り返すのか

我々が今まで生きてきている世界は、金という裏付け資産と国債という国の借金のいずれかを増やす事で紙幣発行を行っている。

時は1848年、カリフォルニアに金が見つかり何万という人々が押し寄せた。
その後はオーストラリア、カナダ等にも見つかり金を求めた鉱夫がそこに居た。
もちろん日本では北海道の鉱山に人が押し寄せ夢を追いかける者も。

その時に利益を上げていたのはその作業員を支えた産業である。
衣・食・住を提供していた者であり、長期的な利益がある産業であれば国も銀行も用意にその信用を買って投資するはずだ。

では現代のゴールドラッシュは、今はデジタル世界に移ってビットコインをマイニングしているモノであろうしその採掘にあたる”ツルハシ”を販売している周辺企業、EMS企業のチャートと一緒に紹介したい。

AMD

CPU、GPUを販売しているAMD。

正直に昔はインテルの二番手のイメージは強かったと思うがCPUで言えばRyzen、GPUで言うとPolarisアーキテクチャの発表で大きく評価が変わったように思う。
2000年代以前のブログやその当時を知る人の言うことを見ていてもコアなAMD支持者は日本に多かったようで市場には比較的出回っている。
それはそのはずで、2000年前後のインテルのCPUのシェアは90%を占めていた。

今はどうだろうか?以下にインテルのチャートを見てみよう。

INTEL

ドラッケンミラーがインタビューで答えていたように、インテルは終わっている。

最近ではINTELもGPUを発売したようだが、それなりの性能ではあるようだが追いつけるのか?
ドライバーの最適化、ソフトウェア側の対応等進まなければ皆が安定した既存のGPUブランドを使うだろうしそもそもグラフィックボードを製造しているハードウェアメーカーに卸すとしても好条件を満たさなければ良い顔はしないはずだ。
現状では価格も全く安いとは言えない販売値で欲しい人間がどれほど居るのだろうか。

それに比べて、AMDは地盤がありCPUもGPUもそれなりに高性能なモデルを出し続けている事とライセンス料を安く印象を良く思う企業も多いはずだ。

NVIDIA

GPUメーカーのエヌヴィディアの株価は好調に見えるのだが、AI産業に支えられている部分があるためこれが一過性に留まるか長期的な伸びに繋がるかはまだ不明であるとは思うがポジティブな考えで言えば – AI産業発展とビットコイン暴騰でマイニング産業再活性化 この2つの要因が重なればかなり大きな伸びしろがあるかもしれない。

次は半導体、メモリを製造している会社。

MICRON
SK HYNIX

最大手だと、サムスンだがメモリ事業以外も幅広く進出しすぎているために今回は除外した。

ちょっとSK HYNIXが抵抗線に当たりそうで不安があるが恐らくこのまま上昇できるだろうとは思える。

なぜなら半導体は基本的に使い捨てで需要は常に一定的にある。セキュリティの面からも企業で一度使われた後に破壊して捨てる事も多く、DRAMに関してはPCが製造される限り個人消費が無くともPCを設計して組み立てる会社が結局買うものだからこそ2023年現段階のこの安値は一時的だと判断している。
今や半導体に関しては、何故か定期的な買い替えを求められるスマートフォンや、車や重機械の他にお幅広くの産業と切っては離せないものだからこそ今や下支えが強固な産業だと言えると感じる。

そして次はマザーボード、グラフィックボードの会社を見ていきたい。

GIGABYTE
MSI

二社とも激しい暴騰をしている。
結局のところ、マイニング活発な時にマザーボードもグラフィックボードも全て枯渇していたから業績は良かったのだろう。今回はこのコラム書くに当たって決算書まで見てないので興味ある人は見てみて欲しい。

あまりにも今までが異常すぎる状況下だったので、今が過剰在庫になっている段階としてPCパーツ関連は全体的に底値付近だと感じる。これは原油の需要と供給にも似ているのかもしれない。

鉱夫を支える産業が発達するというのは2020年代の今でもどうやら変わらないようだ。

そしてPC電源メーカーのOEM元にもなっている大手FSP、そしてCorsairのOEM元にもなっているCWTはどうだろうか?

CWT

やはり、調子は良いようだ。

電源も消耗品であり、壊れる事は周期的でそのサイクルはある一定数と電源パーツ自体がPCパーツ以外にも使われるものであるからこそ需要は止まらないと感じる。

さてここまで紹介してみたがお気づきだろうか。
もちろん、幅広く事業展開している企業であるとその功績が分かりづらくなる為に除外しているものも多いのだが3社が台湾の会社である。

調べれば調べるほどに台湾を拠点に構えるEMS企業はかなり多い。
実際に改めて台湾企業をもっとリサーチしなければいけないように感じる。

そして、ゴールドの場合はアナログ的だったからこそそれなりに長い時間軸で動いたのかもしれないが加速社会と言われるこの時代にその二の舞を見ることは出来るのだろうか。

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