サム・アルトマンのWorld Coinは”ゼロ知識証明”から”人間の証明”に昇華するのか
3 min read
結構前から話題になっては静かにその盛り上がりの上下を繰り返していたOpenAI創業者のサム・アルトマンのWorld Coinの仮想通貨ウォレットが7日前ほどにリリースされた。
全世界への仮想通貨配布を目指す「Worldcoin」がウォレットをリリース
AIを創業した人間自身がAI普及により人間への証明を呈するというある種対比するようなプロジェクトだ。
目の網膜をスキャンした後にそのデータはデジタルデータに変換、そしてプライバシー的にはコードは永久に削除されるという物だ。いわゆる仮想通貨上で言うトークンのBurnに近いと思う。
ウォレットを保有している者にお金配りをするという。
これを他にやっていた者を覚えているだろうか?
そう
エルサルバドルである。
銀行口座すら持てない国民が多いエルサルバドルに、国の提供するウォレットを発行していれば確か3000円分程のビットコインが配布されたはず。
毎回ネタに使われるような彼だが、エルサルバドルが発行するビットコイン債については老舗Bitfinexと事業提携をして発行される。Bitfinexについては設立が香港だが、筆頭株主のZhao Dongが北京なのでどちら言えば中国資本の取引所だと考えている。
エルサルバドル破綻を恐れる声も多かったが、これによりそう簡単に夢物語は終わらない話だと感じている。
人間の証明・・・?
実際には人間の証明をした所で、それに意味はあるのだろうか。
恐らくだが、仮想通貨内恒例の”エアドロップ”の複数アカウントを使って1ウォレットのみで本来受け取れるトークンよりも過剰にかき集めるような行為の防止にもなりうる。
少なくとも、未だにマイノリティとされる仮想通貨に興味がある人間のデータを集められることはそれだけで有力である。
例えば、metamask等でもウォレットを作る事は可能だが一人が何個でも作れてしまう為ウォレットアドレスの絶対数が人間である証明には至らないし、BinanceやBybit等のようなCEX(中央集権型取引所)のアカウント数もKYCを突破してウォレットを分散させる人もいれば、KYCを介さずに一部利用制限ありながらも複数アカウントが作る事が可能である。
必要条件のハードルに適応するのか
筆者もWorldAppを入れてみた。
人間の目の網膜をスキャンするという事だが、Orbが必要で現在は東京にしか設置されていない様子なのでそれはテスト出来なかった。
これが世界的に普及するのならば、広がる可能性はあるが現在のツイッター創業者ジャック・ドーシーが牽引する分散型SNSの"Bluesky"が招待コードが無ければ登録できない同様にユーザーが限定されることが長期的に続くのであればクリプトお馴染みの最初だけ調子良いプロジェクトで可能な限り資金調達を行って自然消滅する可能性は無くはない。
但し、以前サムアルトマンを紹介したときの様に本人のブログを読み漁る限りから溢れる野心は計り知れない。
ブロックチェーン上のデジタルウォレット≒銀行口座に近づいたのでは
現実世界の銀行口座を作るには、本人の証明書や身分証が必要になるが今までその人間の証明を確立出来るものは無かったのでは無いだろうか。
帳簿管理者を必要とせずに全てデジタル情報で保存がされ、銀行側が取り入れたいシステムであることであるしその時に人間がそこにはいるのだろうか。
これはすぐの話では無いし、アナログ的な銀行システムが共存していく期間はそれなりに長い事には間違い無いことだと思うがあくまでデジタルネイティブ世代や、米国で言うミレニアム世代が今の上の世代に置き換わった時には全く変わった世界になっているのかもしれない。