ストレージ関連の市場崩壊と助け船は分散型ストレージ - 寿命との対価
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ストレージ関連がもはや価格崩壊を起こしている。
3~5年前、SSDは128GBで1万円以上していたものが今や3000円以内でも買えてしまう。
なぜここまで安くなってしまったのだろうか?
全てに半導体を
今や車やスマートフォン、コロナでパソコンの需要も増えそれによって半導体需要は高まった。
何にも半導体だ。
もはや、全てが半導体を求めた。技術の進歩には必要不可欠だったのだ。
ただし、主にPCに組み込まれるSSDに関しては昔はSLC NANDから、主に一般用途でMLC NANDからSSDは広まり初めたように思える。
皆も知っての通りの東芝の”東芝メモリ”は本体が赤字に反してずっと半導体事業だけで食っていた。
そして飛び抜けた東芝の半導体事業は分社化され、現在の”キオクシア”となった。
現在はTLC、QLCと寿命と引き換えに劣化の道を辿った。
それは需要に対して価格を抑えて販売する為だ。
筆者からすると、QLCが生まれた時点でNAND型フラッシュメモリの終わりに近づいていると感じた。それはなぜか。
TLCは3ビット/cellで、QLCは4ビット/cellで記録される。QLCの方がより高密度な記録が可能であるために、1つのチップにより多くのデータを保存できる。
となると高負荷環境下になりやすくなり、発熱量も増えてチップの劣化が加速し素子の寿命が短くなる。
ただし一般用途で壊れる事は滅多に無い。多いのはNAND側というよりもほとんどはコントローラ側がよく壊れる。
そんなにストレージは需要があるのか?
昔に普段水彩画を絵を書く、喫茶店のオーナーにiPadの購入相談をされた。
容量で困っていたようだった。
その時にこう言った
”そんなに容量があっても使い切れるのですか?そして容量が増えると自然と昔の物を見ることがなくなりますよ”
基本対して勉強もしてこなかった、お喋りな馬鹿野郎なので発言をまともに聞いてくれる方は居ないがこの部分にはそれは”確かにそうだわ”と言っていた。
ユーザーからしてもそんなに大容量のものが増えたところでそれを使い切れるのか?
容量が増えたとしてもそうなれば新たに買い換える機会は無くなり必要性は無くなってくる。
そう、そもそも買われなくなってしまう。
これは市場崩壊の道へと辿っている。
助け舟は分散型
市場として一般ユーザーが買わなければ価格は落ちるだろう。
但し、そのメモリはただのゴミでは無く可用性がある。そこに価値を見出すのは資本を持つ企業だ。
過去に自分も使っていた分散型ストレージサービスを提供していてUIも使いやすかったSiaのSkynetは資金調達が出来ずにサービスを終わってしまった。
他にも無料で150GB使えるStorjもあるがUIが使いにくすぎて使うものは限られるだろう。
但しこれから新たに参入してくる企業はTelegram元チームが発足したTON財団、CEX型の仮想通貨取引所のBinanceのBNBチェーン、Huawei等。
ストレージにはオンラインストレージ以外にもクラウドプロバイダーなどの仮想環境下での利用も使える。現在では死語になっているビッグデータとの親和性。
昔にあったMegaやOne Drive他サービスを終了したり、容量を減少したりと事業縮小へ向かっている。
でも、その需要はなくなるだろうか?そうは思えない。
データがある媒体を手に持っていなくても、どこでも見れる状態は便利であるだろうしパソコンとスマートフォンのデータ共有は出来たら便利だ。
分散型であるデータの安全性
ノードが一つダウンしても、分散型であればノードの過半数がダウンしない限りデータは守られる。
Megaの無料プランだと、3ヶ月ログアウトしていたらデータが消される。でも分散型なら安心だ。
もし一般ユーザの需要が無くとも、データの安全が保証されるならば現在自社でサーバーを保有していている他企業からの需要も高いはずである。
現在のデータの整合性、同期処理、ネットワーク等の問題もあるため課題が解決したときには今ある世界はまた変わっているのかもしれない。